
大丈夫、自分で作れます。
どうも、元きのこ研究者のもれ郎です。
今日は、家庭にあるものだけでできるきのこの種菌の作り方をご紹介します。
きのこといえば「胞子」というイメージですが、栽培するときは種菌を使って育てます。
「種」と言っても植物の種とは違って、人が作った「種状のもの」です。
そう、種菌は作られたもの。家庭でも身近な材料だけで簡単に作ることができるのです。
そして、農家さんはメーカーから種菌を買いますが、種菌って高いです。
「お金のかからないきのこ栽培ライフを何とかして楽しみたい」というみなさんには悩みましいですね。
あるいは、「自分で採ったきのこを栽培したい!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんなみなさんには、今回ご紹介する方法が役に立ちます。
それではさっそく、家庭でできるオリジナルのきのこ種菌の作り方をご紹介しましょう。
動画でさらに見やすく解説しています!
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用意するもの

- ふたつきの耐熱容器(例えばこれ)
- 培地材料
- バーミキュライト
- エビオス錠
- 砂糖
- 水
- 圧力鍋
手順
1.培地の材料を混ぜる
材料を混ぜます。
粉状の材料(米ぬかとか、おがくずとか)を複数入れる場合は、水を入るれる前にあらかじめよく混ぜておくと混ぜムラがなくなります。
水分は、培地を強くにぎった際に水が滲み出る程度が良いです。
もれ郎の種菌の配合は次のとおりです。
- バーミキュライト 36g
- エビオス錠 1錠
- 砂糖 1.5g
- 水 72mL
エビオス錠は砕くのが大変なので、水に入れて溶かしておくと便利です。

2. 培地を充填する
蓋つきの耐熱容器に培地を詰めます。
もれ郎は「コニカルチューブ」という容器をつかっていますが、正直なんでもいいです。
詰めづらいので、いくらか入れてから容器の底をトントンと叩きつけるとよく入ります。
最後に、上から平らな面で押し付けて、形が崩れないようにします。

詰める量の目安は、培地の材料や水分量にもよるのですが、培地容積の6割くらいの重さだと良い気がします。
例えば、50mLの容器であれば、詰める培地の量は30gくらいです。
この容器は50mLで、27gの培地が入りました。……まあ、それくらいには適当で大丈夫です。
4.接種する
殺菌した培地が冷えたら、元になる菌糸(当ブログでは、原菌と言います)を接種します。
原菌は、寒天培地で育てた菌糸でも良いし、本記事の方法で作った種菌でもいいです。きのこの欠片を使うことも可能です。
そして、菌床や市販の種菌をつかってヨーグルトのように増やす(拡大培養といいます)ことも、技術的には可能です。
さて、この接種の作業は「無菌操作」と言い、雑菌が混入してしまわないように特に気を使って行う必要があります。無菌操作を知らない、やったことがない方、やったことがあるけど失敗が多く苦手だなあという方は、【家庭きのこ栽培】無菌操作が失敗続きの方にお伝えする10のコツ - さかなきのこという記事をまとめてみましたので、ぜひ読んでみてください。

寒天培地のつくりかたは、きのこ栽培用の寒天培地の作り方。菌糸を培養して種菌作りの準備をしよう! - さかなきのこで解説しています。もう少し身近な方法で作りたい方は、
【家庭きのこ栽培】きのこ菌糸培養に使う野菜ジュース寒天培地を最適化しようとしてみた - さかなきのこ
でご紹介した方法もおすすめです。
5. 放置培養する

適当な環境で培養します。人が住める環境ならまあ大丈夫です。
このあたりのことはどこできのこを育てればいいの?押さえるべき5つのポイントやおすすめの場所をご紹介!【培養編】 - さかなきのこにて解説しています。こちらの記事では菌床の培養という切り口ですが、種菌の培養も同じことです。
6. 完成!

種菌をつかって実際に栽培してみましょう!栽培方法は家庭できのこを栽培する方法を解説!栽培キットは使いません - さかなきのこで解説しています。
シイタケも栽培できました!
【シイタケ栽培】栽培キットを使わず家庭にあるものだけでシイタケを栽培した【ぜんぶ自作】 - さかなきのこ
諸注意:種苗法のこと(軽く)
勘の良い方は4.をみて気づかれたと思いますが、きのこの種菌は、ちょっとした設備と材料があれば無限に増やすことができます。
ただし、特定の品種の場合は、このように増やした種菌を個人的、家庭的な範囲を超えて利用してしまうと、育成者権という権利に触れてしまいます。
具体的には、このようにして作った種菌で育てたきのこや、増やした種菌を他人にあげるとアウトです。無料でもだめだし、1回きりでもだめだそうです。
この育成者権という権利は、種苗法という法律により認められているものです。
詳しくは【FAQ】市販のきのこの栽培、拡大培養は種苗法的に大丈夫なんですか? - さかなきのこに書きましたが、種苗法というのは、国や企業等に品種開発を頑張ってもらい、素晴らしい農作物が我々消費者に届けられるためにある法律です。
決して我々のきのこ栽培ライフを邪魔しようとしているものではありません。
皆さんが今後も豊かな食生活を送るためにも、ルールを守り、楽しいきのこライフを過ごしてください。
おわりに:種菌さえ作れればきのこ栽培は成功したも同然
ちなみに、「種菌づくり失敗する……心折れそう」という方に向けて、きのこの種菌の買い方を解説。どこで何を買えばいいの?気を付けることは? - さかなきのこという記事も書いています。1から作る楽しさはなくなりますが、無菌操作に不慣れな方は市販の種菌を買ったほうが確実ですので、合わせてご参照ください。
それでは、きのこに囲まれた生活に向けて、第一歩を踏み出しましょう。
もれ郎
