さかなきのこ

元きのこ研究者による、きのこ栽培の魅力発信ブログ

きのこ栽培用の培地の殺菌方法。圧力鍋で培地を殺菌しよう!

どうも、元きのこ研究者のもれ郎です。

 

今回は、きのこ栽培用の培地の殺菌方法についてご紹介します。

 

家庭できのこ栽培をしたい、しかも接種や培養から全部自分でやりたい!そんな貴方に向けて、圧力鍋を使って培地を殺菌する手順や注意点をご紹介しましょう。

 

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 【目次】

 

用意するもの

  • 培地
  • 栽培容器
  • 圧力鍋
  • 蒸し目皿
  • 水道水

 

手順

1.容器に培地を入れる。

培地を作って栽培容器に詰めます。培地づくりについては、こちら(準備中)。栽培容器を自作したい方は、こちら

sakanakinoko.hatenablog.com

 

  • 2.圧力鍋に水を張る

  • 圧力鍋の底に蒸し目皿を敷き、水を張ります。空焚きにならないよう、わりとたっぷりめに。1つの目安は、蒸し目皿が完全に水に浸かる程度です。

    圧力鍋に水をいれた

    水はたっぷり

3.圧力鍋に培地入り容器を入れる

栽培容器を入れて蓋をします。この時、圧力鍋の蒸気口や、栽培容器のフィルターを塞がないようにしましょう。前者の場合は圧力鍋が爆発するのでとても危険で、後者の場合は栽培容器が凹みます。

 

4.加熱する

加熱を始めます。圧力がかかり、蒸気口から水蒸気が出るようになったら時間をはかり始めます。
加熱時間は30-60分ほどです。培地をたっぷり詰めている場合は時間長め推奨です。空焚きに気を付けましょう。圧力がきっちりかかっていれば火力は低くてもOK。もれ郎はだいたいのもので60分やりますね。
決めた時間加熱が済んだら加熱を止め、圧力が下がるまで放置ます。圧力がかからなくなり、温度もある程度が下がったら容器を取り出しましょう。接種まで、埃や雑菌の少ない場所に置いて冷やして、接種に備えます。

 

その他のコツとか

 

もれ郎は鍋の加熱にIHヒーターを使っています。タイマー機能があるので空焚きが防止できます。でも、タイマーを過信せず、火力も適当に調整したり、水を十分に入れたりしましょうね。

 

あと、培地を殺菌すると、部屋や鍋から不思議な匂いがしてきます。もれ郎は慣れ親しんだ香りですが、同居人や鍋の持ち主には許可をもらっておきましょう。

 

圧力鍋っているの?

ところで、加熱するだけなのになんで圧力鍋なんかわざわざ使うんだよ、保温鍋とかでいいじゃん。そう思われた方もいるかと思います。

 

結論から言うと「あったほうが確実だし楽」です。

 

今回はあまり長く書きませんが、殺菌方法にはいくつかの方法があります。

 

ただ、他の方法、例えば「間欠殺菌」は何度も鍋で加熱する必要があったり、「常圧殺菌」では何時間も加熱しないといけません。もれ郎は、これらの方法は自宅でやるには不向きだと思う訳です。

 

一方、圧力鍋を使うことで中の温度を100℃以上にできるので、短時間かつ一回で殺菌が完了できるのです。

 

なぜかというと、雑菌(の胞子など)は普通の温度ではなかなか殺すことができず、より100℃より高い温度が必要になるからです。

 

また、この記事をご覧になっているのは生物が好きだったりするマニアの方だと思います。圧力鍋があれば、ご家庭で植物組織や動物細胞の培養といった、バイオ実験の準備もできちゃいます。こちらのほうがお得ですよね。

 

というわけで、圧力鍋をお勧めします。ぜひ、バイオ実験ライフへの第一歩を踏み出してみてください!

 

 

もれ郎