100均タッパーできのこ栽培容器を作った(3号器)
今回は第3弾として、将来的に最も実用化の可能性がある用途の栽培容器を開発しました。
どうも、元きのこ研究者のもれ郎です。
またきのこ栽培容器をつくりました。材料は相変わらず100均タッパーです。超安価で超簡単に作れます。
ただ、今回の容器は過去作のキンデル1号やキンデル2号とはコンセプトががらりと替わります。
そのコンセプトとは、
- 大容量(1.7L)
- 無殺菌栽培用
ということです。
関連記事:
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今回は容量が大きいことを重視しました。やはり培地は大量であるほうが栽培は簡単です。
そして、これは無殺菌栽培用です。もうすこしきちんと言うとフタが耐熱ではありません。
「そんなのできのこ栽培できるの?」と思われるでしょう。無菌操作しないとカビまみれでコンタミするじゃないか、と。
結論、できます。きのこの種類を選びますが、少なくとも培養は問題なくできます(時期の都合で発生まではできていないですけど)。
そして、これまでの容器の中で最も簡単に作ることができます。これは狙ったわけではないですけどね。
ということで、全貌はこんな感じです。
本記事では、この新作きのこ栽培容器の作り方や用途をご紹介したいと思います。
100均タッパーを用いたきのこ栽培容器の作り方
1.フタに穴を開ける
フタに通気用の穴を開けます。穴の大きさは一円玉サイズです。別に最適化したわけではないですが、まあこんなもんかなと。
この容器のフタはぐにゃぐにゃのポリエチレン製なので、カッターで加工できます。手を切らないよう、軍手などをして安全にやってくださいね。言いましたからね。
レザークラフト用の穴あけポンチでドカンとやることもできると思います。量産する場合はこうしたほうが楽だと思います。
2.穴にフィルターを貼る
フィルターを貼ります。
もれ郎はケチで貧乏性なので使い捨てマスクを切って貼っています。もれ郎は失敗したことないですが、当ブログを見て真似された方のご報告(ありがとうございます!!)によると、雑菌混入は完全には防げないようです。
きちんとやりたい方や、マスクを切って貼り付けるなんて貧乏くさいことをしたくない方は、フィルターシールというものが売っているのでこれを使いましょう。昆虫飼育用です。
ちなみに、無菌培養をするわけではないので、通気性、保湿性さえ確保できていればフィルターのろ過性能(防塵とか)はある程度無視してOKです。
3.完成
はい、できました。今回の製作時間は1個あたり5分程度です。我ながらフィルター部分の見た目のインパクトに圧倒されますね。
ちょっと大きいですが、ちょっと押し込めば重ねて収納もギリできます。
今作のきのこ栽培容器で想定する用途
冒頭でも触れましたが、この容器は高温高圧殺菌に耐えることができません。したがって、それ以外の殺菌方法、たとえば消石灰による殺菌や、無殺菌での栽培に向きます。
消石灰による殺菌はまだ記事化できていないので外部サイトをお知らせします。もれ郎の大先輩のウェブサイトです。
簡単きのこ栽培方法|因州しかの菌づくり研究所https://inkinken.bio/(外部リンク)
そして、無殺菌栽培というのは、大量の種菌を培地に混ぜ込んで栽培する方法で、もれ郎が目下開発中のものです。上記の写真がまさにそれですが、培養ができることはこの通り確認済みなので、きのこの発生までもっていくこともできると思います。
そんなもれ郎の途方もない実験のためだけに開発された挑戦的な栽培容器、きちんと名前をつけてやりました。その名も……
命名:キンデルMS
最終的な開発目標の用途である「無殺菌(MuSakkin)栽培」の頭文字をとってMSと銘打ちました。最近そういう英語の頭文字とって略称つけるのが流行りみたいですからね。
〇号シリーズは高温高圧用のシリーズということにして、異端なやつは用途の頭文字で命名していこうと思います。無殺菌栽培用の2号が生まれたらその時は「キンデルMS-2」などの名前にしてやろうかと思います。あら、かっこいい響き……。
おわりに:家庭きのこ栽培を少しでも普及させるために
キンデルMSにかけたもれ郎の思いを少しだけ書いておきます。
突然ですが、当ブログ「さかなきのこ」の活動趣旨は「誰もが簡単にできる、家庭できのこ栽培を普及させる」ということにあります。そのための方法の1つとして、今回のように身近で手に入りやすい安価な材料を使った栽培容器の作り方やきのこ栽培のお悩みFAQなどを発信しています。
でも、これまで書いていたものはすべて無菌操作を前提とした栽培方法でした。
家庭きのこ栽培を普及させるためには、この無菌操作は卒業しなければならない大きな壁だと思っています。いくらもれ郎に無菌操作スキルがあっても、皆さんがやってみたいと思わなければ意味がありません。そして、仮にやってみたい人にうまく教えることができたとしても、たとえばすべての小学生に真似させるのは無理です。
もれ郎の想定する「誰もが簡単に」というのは、このレベルです。ですから、もれ郎がキンデルMSを使ってきのこ栽培ができないようであればお話にならないのです。仮にこいつがダメでも、後続を考えてなんとかしたいと思っています。
このキンデルMS、実は本記事執筆時点で未完成だと思っています。まだきのこの発生を確認できていないからです。
もれ郎は近日中になんとしてでもこれを使ってきのこを発生させなければならないと思っています。それが、こんな形で無責任なことを書き散らしているブログの著者としての最低限の責任だと思っています。
そして、皆さんがもれ郎の真似をして、家できのこ栽培をできるようになればいいなと思っています。
キンデルMSを使った栽培方法は、それなりの方法論が確立したらこのブログで紹介していきたいと思います。皆さんが家庭できのこ栽培に挑戦する日を夢見つつ、乞うご期待ください。
あと、もれ郎がこうやって四苦八苦している様子を正直に公開するのも良いかなと思ってきました。もれ郎は元きのこ研究者を謳っていますが、実際にできる・知っている・考えられる範囲なんて大したことはないですし、家庭きのこ栽培についてはみなさんとほぼ同じくチャレンジャー的な位置づけですからね。
みなさんと一緒に、挑戦したり失敗したりたまにうまくいったりを楽しんでいきたいと思います。今後ともお付き合いください。
もれ郎