さかなきのこ

元きのこ研究者による、きのこ栽培の魅力発信ブログ

【自作】小型のきのこ栽培容器を100均グッズで自作した(2号器)

100均は家庭きのこ栽培に必要なほとんどのものを与えてくれます。
圧倒的なコストパフォーマンスがなければ、誰も家できのこを育てようなどと思わないでしょうから。
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どうも、元きのこ研究者のもれ郎です。


自作きのこ栽培容器の第2号を開発しました。その名もキンデル2号です。身近なものだけで作れるという私の初回作キンデル1号のコンセプトはそのままに、いくつかの視点から改良を加えています。


材料費はなんと55+α円です。超安くあがります。


それでは、さっそく作り方から見ていきましょう。

きのこ栽培容器「キンデル2号」

用意するもの

・耐熱のプラ容器
・使い捨てマスク
・工作用カッター
・ビニールテープ
・一円玉

総材料費:55+α円/容器


今回使う容器は、おなじみダイソーで購入可能なこちらです。


きのこ栽培容器に使った100均の容器


耐熱温度140℃、丸型でスクリュー式の蓋、容量は500mLです。この容器、なんと2個入りで110円です。ダイソーさんほんとすごい。

つくりかた


作り方は前回と同じ2ステップです。

1.容器の蓋に穴を開ける


容器に孔をあける場所の印を1円玉でつける


火で炙ったカッターで、蓋を溶かしながら切って孔を穿けます。これが通気孔になります。


今回は孔のサイズを直径2cmとしました。この2cmをとるために一円玉を使います。一円玉に沿って油性ペンで印をつけます。


前回のキンデル1号の通気孔がペットボトルのキャップサイズ(だいたい2.8cm)だったので、少し小さくなります。


通気孔を小さくしたのは、キンデル1号で培地の乾燥が気になったのが理由です。まあ、あちらは通気孔と培地の距離が近かったということが主要因でもあるので、今回はあまり気にしなくても良かったかもしれません。


もっと通気を良くしたほうが良さそうであれば、あとから孔を広げたいと思います。

2.通気孔にフィルターを貼る


タッパーのフタの上に開けた孔の部分にマスクを張り付けている


上で穿けた通気孔の外側にフィルターを貼り付けます。フィルターには今回も使い捨てマスクを使用しています。紙とか不織布とか他の材料を使ってもいいと思いますが、雑菌の胞子が入らないような材料を選ぶことが大切です


また、ビニールテープは耐熱ではないので劣化します。何回か殺菌して怪しくなってきたら取り替えましょう。硬くなって隙間ができそうになってきたら交換を検討します。もれ郎の実績では3回くらいなら耐えています。

完成!

キンデル2号に培地が入っている

ということでこれだけで完成です。繰り返しになりますが命名はキンデル2号です。


何回か圧力鍋や電子レンジで殺菌してみても問題ありませんでしたし、実際栽培することもできました。

キンデル2号からシイタケが生えている
シイタケ(形はともかく)
キンデル2号からヒラタケの仲間が生えている
ヒラタケの仲間


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メリット・デメリット


キンデル2号は1号の完全上位互換ではありません。メリット・デメリットが存在します


【メリット】
・たくさん置ける
・安い
・接種時にコンタミしづらい

【デメリット】
・容量が小さいので収穫量が落ちる
・圧力鍋に数入らない


キンデル2号は明確なコンセプトをもって作りました。それは、容器の小型化です。正確に言えば、専有面積を下げることが目的でした。


キンデル1号は背の低いタッパーを使っているため、容量(800mLくらい入る)の割には置き場所を広く取ってしまいます。


そこで、ある程度背が高い容器を探していて見つけたのがこのタッパーでした。1号と比べると、だいぶ小さい。


よって、メリットとしては省スペースであることが一番大きいです。きのこいっぱい仕込んだり生やしたいので、これには大満足です。安いですし。


また、容器が小型化したことにより副次的な効果が発生します。容器の口が小さいので、接種作業の時に蓋を開けているときにコンタミするリスクを下げることができるのです。


これは単純な確率の話でもあり、同じ量の種菌を接種しても表面を多く覆えて雑菌に勝てるという実質的な面もあります。


ただし、小型化にはデメリットもあります。収穫量が落ちることです。きのこの餌である培地の量が減るので想像できますね。


あと、これはもれ郎の推測ですが、収穫量と培地の量は必ずしも比例しない可能性があり、多少の収量減では済まない可能性があります。


つまり、ある程度の大きさの以上の培地量がないと、そもそものきのこの発生能力を発揮できない、最悪発生しないのではないかな、という推測です。


図示してみるとこんな感じです。


培地量と収穫量の関係性のグラフ


2号の500mLという培地容量が「ここ」と示した点より左側であった場合、この容器はきのこの能力を活かしきれない容器であるということになります。その辺はこれから検証になりそうです。


そして、最大(?)のデメリットがこれ



もれ郎は近々圧力鍋による殺菌から卒業しようと思っていたのでまあ何とかなりますが、これには正直凹みました……。2022年現在は電子レンジで殺菌しているので実際ノーダメージです。

開発はつづく


今回は小型容器ということで2号を作りましたが、栽培方法や育てるきのこによって3号、4号と新たに改良……というか開発が必要になってきそうな予感がします。


特に、シイタケやマイタケを栽培しようと思ったら手持ちでは厳しい予感がしています。マイタケはスキル的にもまだまだ厳しいでしょうけど。


また新しいキンデルファミリーができたら、こちらでご紹介しようと思います。


★実際に栽培してみました!★

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もれ郎