さかなきのこ

元きのこ研究者による、きのこ栽培の魅力発信ブログ

【雑記】もれ郎とぐちゃぐちゃ米ぬか汁

どうも、もれ郎です。


先日米ぬかを手に入れたので、タオルできのこ栽培ファブリックきのこ栽培をしてみようと思い、色々準備していました。


ファブリックきのこ栽培というのは、おしぼりとかタオルを培地がわりとする栽培方法です。普通はおがくずやコーヒーかすといった基材、米ぬかや小麦ふすまといった栄養材が、きのこの栄養と同時に菌糸が伸び広がりきのこが発生するための培養スペース(支持体といいます)として機能しています。


しかし、このファブリックきのこ栽培では栄養と支持体の機能を完全に分業させます。つまり、腐らないタオルに栄養材のみを足すことで支持体をリサイクル可能にしてエコでヨイショ!というイノベーティブな栽培方法です。


もれ郎は最近その可能性に気づき、準備が整ったので培地を仕込んでいました。その際、ちょっとおかしな失敗をしたので反省として載せておきたいと思います。
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もれ郎君の失敗


まず、こちらをご覧ください。


ファブリックきのこ栽培でタオルを仕込んだ様子


栽培容器にタオルをセットした様子です。これに栄養材の米ぬか汁をいれると、こうなりました。


ファブリックきのこ栽培で米ぬか汁が溢れそうになっている


ぐちゃぐちゃです。何が起きたのでしょう。


何故こうなったかを説明するほうが早いのですが、つまりは圧倒的な準備不足が招いた惨状です。


このときの培地の仕込みはこんなかんじでした。


・キンデル2号(500mL容):
・タオル:56g(フェイスタオル、風乾重)
・米ぬか:100g(風乾重)
・水:240g


ちなみに、キンデル2号というのは最近作成した丸型タッパーで作った栽培容器です。こいつはなんと55+α円でつくれます。今後の主力容器の予定。つくりかたは、
【自作】小型のきのこ栽培容器を100均グッズで自作した(2号器) - さかなきのこ
に紹介しています。


きのこ栽培容器用の丸型タッパー

もれ郎君は培地調製に失敗した?


まずおかしいのが、水の量です。みなさん、培地重量は培養容器容量に対してどれくらいの重さにするんでしたっけ?そう、だいたい(3から)6割くらいですね。忘れちゃった人は家庭できのこを栽培する方法を解説!栽培キットは使いません【2020年】を見ましょう。


つまり、キンデル2号(500mL容)だと、300gくらいが培地重量になります。これは、タオル、米ぬか、水のトータル重量と考えます。


そして、培地の水分量はどの程度でしたっけ。あ、これは過去数字では書いていないか。概ね60%前後であることが多いです。


そうすると、どうでしょう。300gの培地に含まれる水の量は、米ぬかが含む水分を含めても180gくらいとなります。


500mL(容器容量) x 0.6(培地重) x 0.6(含水率) = 180g


そう、つまり、この容器で通常のきのこ栽培をしようとしたら、240mLという水は明らかに入れすぎです。


実はこれ、単なる計算ミスではないです。最初、水は180mLを入れる予定でした(米ぬかの水分は10%くらいなので無視する予定でした)。しかし、次の問題が発生したことから致し方なくこうなりました。


その問題とは、米ぬかの入れ方です。

もれ郎君はタオルと米ぬかの相性を考えていなかった


もれ郎、今回の仕込みにあたりこの記事を参考にしました。


ファブリックきのこ栽培方法 | ファブリックきのことは | 忠岡町きのこプロジェクト「忠岡ファブリックきのこ」


これによると、

1. 米ぬか粉砕抽出液を作る
2. 栽培ビンにタオルを入れる
3. 米ぬか粉砕抽出液を入れる


というプロセスのはずなのです。しかし、どういうわけかこの手順を踏んで完成したのが先程の物体です。


タオルが水を吸わない。そして、これは当然といえば当然なのですが、米ぬかがタオル上に溜まる。先程の画像は、こうして出来上がってしまったもので、決してう○ちではありません。


慌てたもれ郎は、水を足しながらタオルを箸で突付くという暴挙に出ました。挙げ句、どうにもならなくなったので最終的にはボウルにすべてをぶちまけ、手もみして再度仕込むというやり方で押し切りました。その結果、水を足しすぎたのです。


これは完全に準備不足でした。なぜなら、トイレットペーパーと米ぬかでヒラタケを栽培するという記事(外部リンク)で、米ぬかを展開したトイレットペーパーに巻き取らせるという地道な仕込み方法を知っていたのですから。


「時間ないし面倒だから、これでいけるっしょ!」そう思い、しかし不安は感じながらもタオルでぎゅうぎゅうの容器にどろどろの米ぬか汁を入れてしまったのです。結果、二度手間。


事前準備の大切さを思い知らされました。


あるいは、なんかもっと良い仕込み方法があったのでしょうか。米ぬかをろ過しちゃったら意味ないし……ううむわからない。


と、そんなこんなでしたがその後なんとか形は整えて、殺菌して(これも実は一事件あった)、接種して、培養を開始することができました。


ファブリックきのこ栽培の培地


(追記)栽培成功しました!やり方など、タオルを使ってきのこを栽培しよう!リサイクル可能でエコな方法をご紹介! - さかなきのこにて紹介しています。


また、接種の様子は動画に撮ってアップしてみました。培養初期のコンタミが多い場合の対処として、無菌操作的な感覚を少しでもお伝えできればいいなと思っています。



栽培の様子が進んだら、またTwitterにアップしたいと思います。


ブログでもこうやって、栽培のチャレンジの様子は継続的にアップしていきたいですね。記事のボリュームはもうちょっと落とすとは思いますが、できるかぎり発信していきたいと思います。



もれ郎