さかなきのこ

元きのこ研究者による、きのこ栽培の魅力発信ブログ

【家庭きのこ栽培】無料で手に入るきのこ栽培マニュアルを集めてみた


読者さん「もれ郎さん、●●(きのこ種)栽培したいです!栽培方法を教えてください!」
もれ郎「えっと……信用できる栽培マニュアルを探してきたのでまずはこれ読んでみてください(もれ郎はまだ栽培してないなんて言えない……)」
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どうも、元きのこ研究者のもれ郎です。

世の中にはいろんなきのこが栽培されていますねよ。あなたが栽培してみたいのはどんなきのこでしょうか。

栽培キットで人気のシイタケ?あるいは美味しいマイタケ?それとも、めったに手に入らないタモギタケ?

育てたいきのこは人それぞれ。そして、それぞれのきのこに適した栽培方法があります。

もれ郎は、残念ながらすべてのきのこの栽培に精通しているわけではありません。というか、正直きのこ栽培初心者です。

ですが、もれ郎がこのブログを立ち上げるにあたって調べた情報はいっぱい持っています。公設試験場や、種菌メーカー等、信頼できるソースの栽培マニュアルが多数存在することを知っているのです。

そこで本記事では、もれ郎は一切の汗をかかず、ネット上に存在している超有用なきのこ栽培マニュアル等を集めてみましたのでご紹介します。

情報のソースのほとんどは都道府県などの公的機関や、種菌メーカーです。発行元の性質上無難なことが書いてあるはずなので大いに信頼でき参考になると思います。

あたなが栽培したいきのこの情報は載っていますか?ぜひ見てみてください。

基本の栽培方法

各論に入る前に、家庭きのこ栽培の基本的な方法について書かれている情報をピックアップしてみました。

これから栽培してみようかなと思っている人、何回かチャレンジしているけどなかなかうまくいかない人、もう慣れたけど基礎はあまり把握していない人、そんな方々のお役に立つと思います。

あなたにもできる?きのこの菌床栽培-家庭で,おが粉を使ったきのこ栽培にチャレンジ!-|北海道立総合研究機構(外部リンク)

おがくず、米ぬかを使用した無菌栽培を行う、非常に典型的なきのこ栽培をそのままスケールダウンした方法をご紹介しています。ご家庭用に最適化されているかどうかは別として、基礎の基礎としてぜひ読んでいただきたいです。

家庭できのこを栽培する方法を解説!栽培キットは使いません|さかなきのこ

本ブログの記事もご紹介させていただきます。ちょっと再現性が低めなのが課題ですが、もれ郎が自力でお伝えできるものは今現在これくらいです。

簡単きのこ栽培方法|因州しかの菌づくり研究所(外部リンク)

こちらは公的機関でも種菌メーカーさんでもないですが、家庭でも実現できる簡単なきのこ栽培の先駆者として避けては通れない方です。通常日本で行われているきのこ栽培とは異なり、高温高圧殺菌をしない栽培培地の調製方法が特徴です。それ以外にも、一風変わったきのこ栽培のお役立ち情報がみっちりと詰まったホームページは必読です。

メジャーなきのこ

もれ郎が思う、市民権を獲得している優秀な食用きのこ達です。それだけに、マニュアル類はけっこう充実しています。

シイタケ

菌床シイタケ栽培技術指針|徳島県(外部リンク)

国内の菌床生シイタケ生産量第1位(令和3年度)を誇る、徳島県のプロ向け(?)栽培マニュアルです。我々が取り入れられる部分は多くはないですが、基礎知識として学ぶところは多いですね。

きくらげ(アラゲキクラゲ)

アラゲキクラゲ空調栽培マニュアル(増補第2版)|徳島県(外部リンク)

栽培で気を付けるポイントが多く紹介されていて、まさにマニュアル。写真も豊富で、我々のような初心者にもとっつきやすいですね。

ナメコ

なめこの自然栽培・菌床栽培法(ブロック)|株式会社キノックス(外部リンク)
なめこの空調栽培・ビン栽培法|株式会社キノックス(外部リンク)

ナメコについては、種菌メーカーであるキノックスの情報が豊富です。2つのページを紹介しましたが、それぞれ若干の何点があります。上のリンクはキャップがついた専用袋というやや特殊な道具を使っており、下のリンクは環境条件がゴリゴリに規定されており、我々はちょっと真似しづらいのです。両ページを見ながらイメージをつくっていく必要がありそうですが、我々が一番参考にできそうなのはたぶん自然栽培(上のリンク)のほうのほうですね。

エリンギ

エリンギの空調栽培・ビン栽培法|株式会社キノックス(外部リンク)
ナメコにつづき、エリンギもキノックスのページが大変参考になります。ビン栽培であるためなのかやはり環境条件の規定が厳しめですが、もれ郎の感覚的にはエリンギはわりとアバウトでもなんとかなるイメージです。あくまで感覚。

ウスヒラタケ、ヒマラヤヒラタケ

うすひらたけの自然栽培・菌床栽培法(ブロック)| 株式会社キノックス(外部リンク)
ヒマラヤヒラタケの自然栽培・菌床栽培法(ブロック)| 株式会社キノックス(外部リンク)

もれ郎はウスヒラタケ=ヒマラヤヒラタケという立場をとっているのでひとまとめに紹介します。
キノックスのウェブサイトはさすがに情報量が豊富で、家庭でも真似できそうな方法も紹介されており非常に参考になります。

ウスヒラタケ栽培マニュアル|福井県(外部リンク)

こちら福井県のマニュアルはきのこの発生方法が細かく紹介されており、収穫量にこだわる方には一読の価値がありますね。

ウスヒラタケ野外栽培マニュアル|三重県(外部リンク)


三重県のマニュアルは培地づくりから収穫までが簡潔にまとめられていますので、栽培の流れをざっくりつかむのに良いですね。

ヒラタケ

ひらたけ(シメジ)の自然栽培・菌床栽培法(ブロック)|株式会社キノックス(外部リンク)


またキノックスです。覆土せず湿度を保って発生させる方法が載っています。
あと、ヒラタケの栽培マニュアルって意外と無いんですねえ。もっと公設試験場がバシバシ出してると思っていましたよ。

ブナシメジ

ぶなしめじの自然栽培・菌床栽培法(ブロック)| 株式会社キノックス(外部リンク)

またまたキノックスだ!!!!家庭でも真似できそうな、鹿沼壌による覆土発生操作の方法が載っています。

エノキタケ

長野のエノキタケ|JA全農長野(外部リンク)
野生型エノキタケの簡易栽培|富山県(外部リンク)

エノキタケは手ごわいです。なにせ、ほとんど機械的に栽培されているので我々が真似できそうな小規模農家向け栽培マニュアルなんてものが存在しません。
エノキタケ国内生産量第1位は長野県ということで、JA全農長野のパンフレットでおおよその栽培の流れをつかみつつ、簡易栽培方法に当てはめてみるしかありません……。

マッシュルーム

合成堆肥を使用したマッシュルーム施設栽培|日本農林種菌(外部リンク)

日本農林種菌も種菌メーカーです。ここに紹介されている方法はプロ農家さん向けなので家庭栽培にそのままもってくるのは難しいかもしれません。

マッシュルーム菌糸由来プロトプラストへの紫外線照射による突然変異株の作出|東洋食品研究所(外部リンク)

初めにおことわりしておくと、これは栽培マニュアルではなく研究報告書です。しかし、この資料中の「材料および方法」(P10-11)に記載されている栽培方法が家庭で真似できそうだったのでご紹介しています。もれ郎はやったことないですが、いつかチャレンジしてみたいです。

マイタケ

マイタケは家庭でやろうとすると殺菌した短木を埋め込む方法が現実的であるようです。その手の資料は見つかったのでご紹介します。

マイタケの殺菌原木栽培|長野県(外部リンク)

原木を手に入れる、15cmくらいの長さに切断(玉切り)する必要がありますが、それ以外は無菌操作と培養環境があればできそうです。もれ郎は前者のハードルが高すぎるので諦めます。

家庭で楽しむまいたけ栽培|株式会社キノックス(外部リンク)


殺菌短木を購入してきて植えることもできるみたいですね。これならマンション・アパート住まいでもできそうですね。殺菌短木はなんとネットでも買えるそうな。あ、またキノックスだったか……。

まいたけの栽培方法|JA全農ぐんま(外部リンク)

こちらは菌床栽培の方法をざっくりと書いてあります。マニュアルではなく栽培の一連の流れの紹介資料ですね。簡潔でわかりやすいですが、これは家庭栽培では真似できませんね。残念。

マイナーなきのこ

普段デパートでしか見かけない高級きのこだって、自分で育てることができるかもしれないのです。食用、健康などいろいろな方面で引き合いがありそうなきのこについて調べてみました。

タモギタケ

たもぎたけの空調栽培・ビン栽培法|株式会社キノックス(外部リンク)

ビン栽培の方法ですが、キノックスとしては珍しくわりとアバウトに書かれています。そんな感じでも栽培できるんでしょうね。

タモギタケ栽培マニュアル|三重県(外部リンク)
簡潔ですが、仕込みから発生まで一連の栽培方法が載っています。栽培温度は室温に近いので、湿度さえなんとかなれば栽培できそうです。

栽培キットも売っているくらいなので、大きめの袋で保湿すればいけるのではないかと踏んでいます。

ササクレヒトヨタケ

ササクレヒトヨタケ空調栽培マニュアル(第2版)|三重県(外部リンク)

簡潔ですが、仕込みから発生まで一連の栽培方法が載っています。家庭でも真似できるレベルです。もれ郎も真似したことがあります(成功には至っていないですが)。

ササクレヒトヨタケ、別名コプリーヌともいうらしく、栽培キットまで売っています。最近きのこ業界でホットなんですかね。

クロアワビタケ

山梨夏っ子きのこ®菌床栽培マニュアル|山梨県(外部リンク)
山梨県が開発したクロアワビタケ「山梨夏っ子きのこ®」の栽培マニュアルです。特定の品種向けマニュアルという位置づけですが、他のクロアワビタケにも適用できるのではないかと思い載せています。

ヤナギマツタケ

やなぎまつたけの空調栽培・ビン栽培法|株式会社キノックス(外部リンク)ヤナギマツタケってご存知ですか?デパートくらいでしかみないですけど、シャキシャキしてこっくりした香りがして、めちゃくちゃおいしいんですよ。西洋だと近縁種が食用きのこ「Pioppini(ピオッピーニ)」として人気です。


ヤマブシタケ

ヤマブシタケ栽培マニュアル|長野県(外部リンク)
やまぶしたけの空調栽培・ビン栽培法|株式会社キノックス(外部リンク)


ヤマブシタケは、ある方面から人気のきのこですね。需要がありそうなので置いておきます。
家庭で栽培しようとすると、低温、高湿度が必要でなかなか難しそうですね。

さいごに:信用できる栽培マニュアルがたくさん!あなたも栽培してみましょう。

情報化社会万歳。ちょっと思ってもみなかったマイナーきのこの栽培マニュアルまで多数存在することがわかりました。

ここではご紹介しなかった栽培マニュアルもありますし、他にも公設試験場の研究報告は基本的に載せていませんが、結構役に立ちそうな情報が載っています。例えば、本記事を書くきっかけとなった「多品目のきのこを組み合わせた自然通年栽培|群馬県(外部リンク)」とかです。


「●●(きのこ種名) 栽培方法」とかで調べると、栽培キットを使っただけのブログとかが大量に出てきますが、その他にも、もしくはその中にも有益な情報もたくさんあるのです。ぜひいろいろ調べてみて、もれ郎とともに家庭きのこ栽培をガンガン楽しんでいきましょう。


もれ郎