【きのこ栽培企画】きのこづくりの夏休み③ヒラタケ順調、そして生存者の発見(7月31日~8月5日)
実を結ぶのはあれかこれかそれとも両方なのか、分からないのだから。
(コヘレトの言葉 第11章6節)
どうも、元きのこ研究者のもれ郎です。
夏休み中にきのこを1から栽培するという無謀な企画「きのこづくりの夏休み」も第三週目に突入。
先週は転んで起き上がってを繰り返す怒涛の7日間でした。今週もやっぱり良いことばかりじゃないけど悪いことばかりでもないといった塩梅です。
とにかく色々手を出しておいてよかった……そんなことを思う一週間でした。
エノキタケ種菌は二敗目を喫するも……?
先週仕込み直したエノキタケ種菌。最初は順調に見えました。翌日にきのこから菌糸が生えていることも確認できました。
しかし、数日後。やはり臭い。今回は激臭ではないものの、例えるなら濡れた雑巾を放置したような匂いです。夏休み終盤、登校日に教室を掃除したときに嗅いだあの匂いです。
図らずも夏休みの追体験をしてしまいましたが、ともかく、こいつはたぶんもうだめでしょう。そうそうに見切りをつけ、サヨナラしたいと思います。
石づき種菌のほうは相変わらずよくわかりませんが今のとこ失敗が確定している感じでもないので再度放置します。このふわふわしてるのがエノキタケの菌糸ならいいんですけどね。
そして、ここで朗報です。もれ郎、すっかりわすれていたことがありました。
この世ならざる匂いを発しながらはてたエノキタケの兄貴、なんと双子の弟分が野菜室に眠っていたのです。
【17日目】生存者
— もれ郎(家できのこ育ててる人) (@iammorelaw) August 3, 2023
この世ならざる臭いと共に果てた初代エノキタケ種菌。なんと血を分けた弟を野菜室にて発見(ごめん忘れてた) 。良さげな菌糸、さらにフレッシュなエノキタケの香り。これは成功しそう。
急がば回れ。生長の遅さに焦り、室温に移したもれ郎の判断ミスでした。#きのこづくりの夏休み pic.twitter.com/vAQqmJ8G6P
恐る恐るラップを開けてみると良い感じに菌糸が生えています。しかも、フレッシュなエノキタケの匂いがします。ヤドカリや雑巾のフラッシュバックはありません。
こいつは良い感じです。たぶん成功しているのでしょう。しかし、室温に戻せばまたヤドカリが降臨してしまうことが予想されます。また、野菜室でこのまま過ごしても夏休みの間にはきのこにはできないと思われます。
残念ではありますが、こいつはちょこちょこ様子は見るだけにして、本企画ではこのまま野菜室にいてもらおうと思います。企画の外でなんかやるかもしれません。
エノキタケたちは以上のような状況です。
ヒラタケ、いよいよ栽培開始
ヒラタケはもう何もいうまでもなく順調です。
若干粉臭いというかイカ臭いような香りはしますが、これはヒラタケの匂いのような気がするので受け入れます。
段ボールでサンドしてから9日目の時点で種菌として使えそうになったので菌床を作りました。
8月5日時点で、培地にもある程度菌糸が蔓延してくれています。
培地は100均で購入した園芸用培土です。こいつを「にぎり法」で水分を調整しながら培地を作り、段ボール種菌にサンドします。種菌で挟む量は特に意識していませんし不器用なのできれいにできていませんが、全体がさっと隠れるようなイメージで撒いています。
ちなみに「にぎり法」というのは、ぎゅっと手で握ったときに指の間から水が滲み出てくることを目安にして水分量を確認し培地調製することを指します。
解説:きのこ栽培培地(菌床)に使用した園芸用培養土について
もれ郎は今回園芸用の培養土(写真右)をきのこ栽培培地に使いました。
普通、きのこ栽培といえばおがくずや米ぬかを使います。こんなのでうまくいくのでしょうか。
実際うまくいくかはわかりませんが、もれ郎の狙いはこうです。
まず、この培養土はヤシガラ培土が主体です。ヤシガラ培土というのは、ココヤシの殻を原料とする培土です。いわゆる土ではなく植物質ですね。一方、きのこは植物質、すなわちセルロースやリグニンといった成分をエサとして分解することができます。これらを組み合わせれば栽培できると踏んだ、ということです。
実際、ヤシ殻をきのこ栽培培地とする商品開発が行われているそうです。
ちなみに、もれ郎の経験として、ヤシガラ培土ではウスヒラタケで栽培実績があります。
別の観点として、ヤシガラ培土は安く、しかも比較的どこでも手に入れることができます。
今回手に入れたのは100均(今回行ったのはダイソー)です。圧縮されたヤシガラ培土も売っているのですが、人気商品であるためか品薄ぎみなので、代用としてこれを買いました。
100均が近くにない、または品切れ中であったとしても、ホームセンターに行けばほぼ確実に買えると思います。別にネット通販で買ってもいいですしね。
さて、解説すべきことはもう1つあります。なぜヤシガラ培土単体なのでしょうか。通常のきのこ栽培でいうところの米ぬかや小麦ふすま等の「栄養材」を入れないもれ郎の狙いとはなんでしょうか。
答えは、これらを入れるとコンタミしそうな気がするからです。ヤシガラとちがい、米ぬかや小麦ふすまといった材料は雑菌のエサにもなります。いきなりこれらを投入するときのこ菌糸が生長する前にコンタミしてだめになりそうな気がしたので避けました。
作戦としては、①ヤシガラ培土だけで十分に菌糸生長させる②あとから栄養材を入れて追培養③発生させる、といった段取りを予定しています。
これは感覚でやっているだけなので根拠はないです。無駄な工程かもしれませんね。
ちなみに、今回の企画では油かすを栄養剤として使うつもりです。米ぬかはタダで手に入ることもありますが、手に入りやすさが居住地域に大きく左右されるのでルール違反になります。油かすなら、100均やホームセンターで年中手頃な価格で入手できます。
おわりに:とりあえずスタートラインには立てた
菌床の培養が始まり、「私きのこ育ててます」と言えるスタートラインには立てたかなと思います。
これがうまくいくかどうかは分かりません。また、遊びで仕込んだエノキタケの石づき種菌がどうなるかもわかりません。
培養が始まるとなかなか次のアクションまで変化も少ないですが、ちょこちょこ観察しつつ、何かあればすぐに対応していきたいと思います。
夏休みは悲しいけれど有限。限られた時間(と予算)できのこを発生させられるよう、最善を尽くしていきたいと思います。
次週もお楽しみに。
もれ郎